2022/07/23
こんにちは。
まつもと歯科院長 松本卓也です。
今月も新しいインプラント歯科論文を抄読いたしましたので掲載いたします。
Bio-OssとFDBAの使用における臼歯部リッジプリザべーションの比較:RCT研究 Title:Ridge preservation in molar sites comparing xenograft versus mineralized freeze-dried bone allograft: A randomized clinical trial Author:Desire Abellán, Lucía Barallat, Javi Vilarrasa, Manuel Cabezas, Andrés Pascual La Rocca, Cristina Valles, José Nart Journal:Clin Oral Impl Res. 2022;33:511-523
PURPOSE
本研究の目的はBio-OssもしくはFDBAと吸収性メンブレンを併用した場合の、臼歯部におけるリッジプリザべーション後の歯槽堤の寸法変化と組織学的な組成について比較することである。また元々の歯槽骨の厚みが寸法変化に与える影響および、リッジプリザべーション後の歯科用インプラント埋入、ソケットリフトの必要性について評価した。
MATERIALS AND METHODS
・上顎または下顎の第一または第二大臼歯の抜去を必要とする18歳以上の成人患者。抜歯する臼歯は、2 mm以上の角化歯肉。3壁以上の骨壁が無損傷、4壁の裂開は、2mm以下。
・除外基準 急性歯周炎または根尖性歯周炎、妊娠中または乳児期、1日10本以上の喫煙、骨リモデリングに影響を与える代謝性疾患、および薬物の服用。プラークコントロールが不十分な患者(20%以上(O’Leary et al。、1972))、リコールを遵守できない患者。
・術式 全層弁で歯肉頬移行部を超えず剥離、骨を露出。歯は可能な限り非外傷的に抜歯。その後、骨壁の損傷または裂開の程度を評価した。その後、CT撮影を行った。 抜歯窩をDBMM(Bio-Oss®(cancellous xenograft)(Geistlich Pharma、Wolhausen、Switzerland)またはFDBA(MinerOss®(cortical and cancellous allograft)(BioHorizons、Birmingham))で添入した。吸収性コラーゲン膜(Mem-lok®(BioHorizons、Birmingham、AL、USA)をトリミングし、3 mmソケットを超え完全に覆うように適合させた後、5/0ポリプロピレン縫合糸でマットレス縫合した。0.12%クロルヘキシジンジグルコネートと0.05%セチルピリジニウムクロリド(Perio-Aid®、Dentaid、Barcelona、Spain)で1日2回、2週間すすぐよう指導。ペニシリン、クリンダマイシン(7日間8時間ごとに300mg)を処方。必要に応じて、イブプロフェン(8時間ごとに600 mg)やパラセタモール(8時間ごとに650 mg)などの鎮痛薬を使用。手術の2週間後に縫合糸を取り除き、完全な軟組織の閉鎖が達成されるまで、すべての患者をフォローした。術後のフォローアップは、1、2、6週間、および手術後4、5か月に記録された。
・5ヶ月後CTを再撮影、歯科用インプラント埋入を行う。2×6 mm(内径2 mm、外径2.5 mm)のトレフィンバーで骨を採取した。
・初期と5ヶ月後のCTで寸法変化を調べた。
・生検は脱灰され、パラフィン包埋、ヘマトキシリン-エオシン染色を使用して組織学検査を行った。
・ソケットリフトは8mm未満の高さを閾値とした。
RESULTS
21人の患者(13人の男性(61.9%)と8人の女性(38.1%)、平均年齢44.84±8.62歳)が研究に含まれた。4人(19%)が1日あたり10本未満の喫煙者であり、17人(81%)は非喫煙者。FDBAグループとDBBMグループにそれぞれ10人と11人。上顎(61.9%)が13症例、下顎(38.1%)で8症例。性別、年齢、喫煙習慣、およびベースライン時の2つのグループ間に有意な差は観察されなかった(p> .05)。しかし、DBBMで治療された部位が上顎に多く、FDBAで治療された部位が下顎に多かった(p = .049)
・水平的寸法変化
RWのベースライン測定では、グループ間で統計的に有意差なし。FDBAグループとDBBMグループの両方が、ベースラインから5か月までのすべてのレベルで幅の減少を示した。薄い歯槽骨(<1.5 mm)は、RW-1の3.91±2.41 mmの減少を示し、厚い歯槽骨(≥1.5mm)は、骨頂から1 mmで1.95±1.75mmの減少を示した(p = .046)
・垂直的寸法変化
両方のグループ間統計的に有意差なし。 BHとLHの両方の骨頂は、5か月で有意な平均減少を示した(BH:-1.97±2.21 mm、p = .0006; LH:-1.22±0.88 mm、p = .0001)。DBBMを使用すると、垂直方向の骨の変化の減少が少ない傾向が観察されたが、統計的に有意差なし。BH(p = .888)、CH(p = .573)、およびLH(p = .567) )。同様に、BPの厚さ1.5 mm未満の歯槽骨は、-3.20±2.26 mmの減少で、1.5 mm以上の歯槽骨は、-0.86±1.53 mmの平均垂直減少を示した(p = .01)
・組織学的評価
残留粒子の量に優位差はなかった。
・ソケットリフトの必要性
上顎大臼歯部には9人が埋入され、5人に8mmの歯科用インプラントが埋入された. CHはベースラインで7.30±3.53mm、治癒期間後は6.78±3.61 mm。5ケース(55.56%)でソケットリフトが必要であった。
CONCLUSION
本研究で、Bio-OssとFDBAの使用で、リッジプリザべーションの結果はほぼ同等であった。また、頬側歯槽骨の厚みは歯槽堤の幅および高さの減少に影響する。
抜歯後に歯槽骨が起こり、歯科用インプラントの埋入が難しくなるケースがあります。
それを防ぐためにお薬を入れることがあるのですが、Bio-OssとFDBAというお薬では大きな差はないというお話でした。
今後も豊中市の皆様の歯や口腔内の健康維持に寄与出来ればと思います。
こういう大変な時期ですが私も歯科医師として今できることを精一杯させて頂こうと
思っております。
では皆さま今日も一日頑張っていきましょう。
歯医者として豊中市の地域医療に歯科治療という形で微力ながら
貢献できますよう頑張ってまいりますので今後ともよろしくお願いいたします!
これからも
「大阪の豊中・岡町でよりレベルの高い歯科治療を提供出来る歯医者となるように」
努力したいと思います。
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