2024/03/15
こんにちは。
まつもと歯科院長 松本卓也です。
今月も新しい歯科用インプラントに関する論文を抄読いたしましたので掲載いたします。
一次創閉鎖の有無における歯周病感染性の臼歯窩におけるリッジプリザベーション:比較対照臨床試験
Title:Ridge preservation in periodontally compromised molar sockets with and without primary wound closure: A comparative controlled clinical trial
Author:Yiping Wei, Liping Zhao, Haoyun Zhang, Ziyao Han, Wenjie Hu, Tao Xu
Journal:Clin Oral Impl Res. 2024;35:131–139
PURPOSE
抜歯後の歯槽骨の吸収を最小限に抑える方法 としてリッジプリザべーション(ARP)が行われている。また、治療ガイドラインに関してARP 後の一次創閉鎖の必要性が特に議論の的となっている。本研究ではARP 後の一次創閉鎖の有無によって、硬組織の治癒に変化があるかどうかを調べた。
MATERIALS AND METHODS
重度の歯周炎のため大臼歯抜歯とその後のインプラント治療が予定されている患者が登録された。 患者は、新しい歯周病の基準によるステージ III または IV、グレード C の歯周病の基準を満たす。
本研究には、対象となる40 本の臼歯を持つ40人の患者が登録された。 20 歯をコントロールグループに割り当て、残りの 20 歯はテストグループに割り当てた。抜歯後、掻爬を行い、滅菌生理食塩水で洗浄した。
コントロールグループでは、ソケットは全層弁で剥離、2 つの減張縦切開を行うことで1次創閉鎖を得た。(図1)。
テストグループでは全層弁で頬側と舌側を2〜3 mm歯槽骨を露出させた。(図 2)。
どちらのグループでも、ソケットは Bio-Ossを移植しBio-Gideで被覆した。
テストグループでは、コラーゲンスポンジでカバーし、クロスマットレス縫合を行った。
術前および術後6ヶ月にプロービング深さ、歯肉退縮量、BOP、角化歯肉幅 (KTW) などの臨床パラメーターを計測した。
RESULTS
コントロール群は患者20 名 (平均年齢: 48.8 ± 7.7 年。 男性16名、女性4名)、テストグループは患者20名(平均年齢:48.9 ± 7.6 歳、男性15人、女性5名)であった。
X線写真分析により、頬側および舌側歯槽骨レベルが両グループで維持されていることが明らかになった(表2)。
寸法変化に関しては統計的に有意差はなかった。
表 3 は歯槽骨の三次元変化を示す。
コントロールグループとテストグループに体積変化の観点で統計的に有意な差はなかった。
表 4 は、6 ヶ月後の軟組織の変化を示す。テストグループと比べコントロールグループは角化歯肉幅が統計的に有意に1.08 ± 1.63 mmの減少した(p< .05)。テストグループは 平均 0.43±1.40 mm の 角化歯肉幅が減少した。
CONCLUSION
本研究において、ARP後の硬組織の変化 は一次創閉鎖の有無で同等であった。 しかし、一次創閉鎖を行わないARPは、創傷閉鎖を行ったARPよりも多くの角化歯肉幅が保存された。
抜歯をすると周囲の歯槽骨は吸収することが多いのですが、ARPを行うことで歯槽骨の吸収を減らすことが出来ます。
歯槽骨幅や角化歯肉幅はインプラント治療時に必要なので、保存がすることが大事になります。
今後も豊中市の皆様の歯や口腔内の健康維持に寄与出来ればと思います。
こういう大変な時期ですが私も歯科医師として今できることを精一杯させて頂こうと
思っております。
では皆さま今日も一日頑張っていきましょう。
歯医者として豊中市の地域医療に歯科治療という形で微力ながら
貢献できますよう頑張ってまいりますので今後ともよろしくお願いいたします!
これからも
「大阪の豊中・岡町でよりレベルの高い歯科治療を提供出来る歯医者となるように」
努力したいと思います。
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