2020/05/21
こんにちは。
まつもと歯科院長 松本卓也です。
今月も歯科用インプラント論文を抄読しましたので掲載いたします。
歯科用インプラントオーバーデンチャーのアタッチメントを違いによる義歯床の変形:クロスオーバー研究
Title :Clinical denture base deformation with different attachments used to stabilize implant overdentures: A crossover study
Author:Moustafa Abdou ELsyad , Fatma Fathe Mahanna , Ahmed Samir Khirallah
Ahmed Ali Habib
Journal:Clin Oral Impl Res. 2020;31:162–172.
PURPOSE
歯科用インプラントオーバーデンチャートは変形により歯科用インプラント周囲で破折しやすい。また下顎インプラントオーバーデンチャーのアタッチメントの違いによる変形に関する研究はないため調査を行った。
MATERIALS AND METHODS
下顎無歯顎患者で義歯の安定が不十分な患者24人に対して行われた。
・適応患者
下顎犬歯相当部に十分な骨量、アングルⅠ級、全てのインプラントアタッチメントを装着するのに十分なスペースがある。
・外科および補綴手順
全ての患者にたいして両側性平衡咬合を与えた総義歯を従来通り作製した。その後、3ヶ月装着し神経筋機構の安定を待った。歯科用インプラントは同じ顎顔面口腔外科医にて1回法で埋入された。インプラント埋入用サージカルステントは義歯を複製して作製した。ヒーリングアバットメント装着後、ティシュコンディショナーを使用し義歯を装着した。3ヶ月後次の3つを6つのグループに分けて順に装着した。(a)バーインプラントオーバーデンチャー(BOD)、(b)テレスコープインプラントオーバーデンチャー(TOD)、および(c)ロケーターインプラントオーバーデンチャー(SOD)。(a)BOD、TOD、SOD、(b)BOD、SOD、TOD(c)TOD、SOD、BOD(d)TOD、SOD、BOD(e)SOD、BOD、TOD(f)SOD、TOD、BOD
・義歯の変形の評価
Fig.3の位置にリニアひずみゲージ(KFG‐1–120‐C1‐ 11L1M2R; Resistance 119.6 ± 0.4%; Gauge length: 1 mm; Gauge factor: 2.08 ± 1%, KYOWA electronic instruments, Japan)を接着した。最大の食いしばり、柔らかい食物(ケーキ)および堅い食物(にんじん)を左側でかみしめる際に計測した。それぞれの計測は3ヶ月のインプラント義歯使用後に行われた。
RESULTS
24人の参加者(12人の男性と12人の女性、48歳~68歳)が調査された。
負のひずみ値は圧縮ひずみを示し、正の値は引張ひずみを示す。
BOD(403.7±306.8μɛ)は、TOD(146.9±131.8μɛ)およびSOD(99.8±75.6μɛ)よりも有意に高い総ひずみを示す。 TODとSODに有意差はない。 ch2は、硬い(390.4±381.6μɛ)および柔らかい(223.5±220.2μɛ)食物を噛みしめる際に最高のひずみを記録した。
堅いものの咀嚼時に変形が大きかった。
CONCLUSION
結論:テレスコープアタッチメントとロケーターアタッチメントは、バーアタッチメントと比較して義歯床の変形が少ないため、2本のインプラント下顎オーバーデンチャーに使用することが推奨される。
こういう大変な時期ですが私も歯科医師として今できることを精一杯させて頂こうと
思っております。
では皆さま今日も一日頑張っていきましょう。
歯医者として豊中市の地域医療に歯科治療という形で微力ながら
貢献できますよう頑張ってまいりますので今後ともよろしくお願いいたします!
これからも
「大阪の豊中・岡町でよりレベルの高い歯科治療を提供出来る歯医者となるように」
努力したいと思います。
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http://www.matsumoto-ortho.jp/
大阪府豊中市中桜塚2-20-12-103
大阪大学歯学部卒業 歯学博士 まつもと歯科