2021/07/19
こんにちは。
まつもと歯科院長 松本卓也です。
私がインプラント歯科論文を抄読しましたので掲載いたします。
歯科用インプラントと隣在天然歯との間のコンタクトが緩くなってきやすく、
その場合歯周組織にも影響がある可能性があるとの論文です。
インプラント補綴物と隣在歯との接触喪失がインプラント周囲に与えるリスク指標―横断研究 Title:Interproximal open contacts between implant restorations and adjacent natural teeth as a risk- indicator for peri- implant disease— A cross- sectional study Author:Jessica M. Latimer, Amit S. Gharpure, Hahngoo J. Kahng, Faisal E. Aljofi,Diane M. Daubert Journal: Clin Oral Impl Res. 2021;32:598–607.
PURPOSE
歯科用インプラント修復物と隣在歯間の接触喪失は,治療後3か月という早い時期に上顎で18%〜66%,下顎では37%〜54%の割合で発生する(Varthis et al,2019).また24.3%が1年の間に隣在歯間接触喪失を経験した.(Shi et al,2019)本論文は歯科用インプラントの隣在歯間接触に関連する歯科用インプラント周囲疾患の有病率に関するデータを提示した歯科臨床研究である.
MATERIALS AND METHODS
・ワシントン大学歯学部大学院歯周病科のSPT患者の名簿から選定.患者は21歳以上,歯科用インプラントが1本以上埋入されており,治療後1年以上経過,近心に天然歯があり,反対側で1歯以上天然歯か補綴歯で咬合している.
・ 除外基準は、喫煙者や歯科用インプラント埋入前の禁煙が3か月未満、制御不能な糖尿病(HbA1c> 7%)または骨粗鬆症、骨に影響を与える薬剤の使用(ビスフォスフォネート、慢性ステロイドなど)、妊娠中の女性、および他の主要な全身性疾患の存在
・プラークインデックス(PI),ジンジバルインデックス(GI),歯周プロービングデプス(PPD),プロービング時の出血(BoP)を評価した.接触喪失はフロスが抵抗なく通る場合とした.コンタクトの幅はリーフゲージで測定した.
・接触喪失の自覚の有無,食片圧入の有無,疼痛,不快感の有無などのアンケートを行った.
・1年以内に撮影した咬翼法のX線写真で辺縁骨レベルを診査した.
・ インプラント周囲炎の診断は、ベースラインX線写真と比較して、PPDの増加、臨床的炎症の兆候、および2 mm以上の骨吸収,BOPおよび/または排膿の存在.
・グループ間の結果を比較するために、Raカイ二乗検定と一般化推定方程式(GEE)モデルを使用した.
RESULTS
・61人の被験者の142本の歯科用インプラントが評価された.平均年齢66.6±12.7歳の31人の女性と30人の男性で構成された.
・接触喪失は患者レベルで75.4%,インプラントレベルで54.2%.プラットフォームスイッチングの歯科用インプラントの使用や,歯科用インプラントのスプリント,負荷期間が4年以下の場合有意に接触喪失が少なかった.
PPDは平均0.51 mm深く(p = .045),骨レベルの低下は平均0.41 mm大きかった(p = .117)近遠心では優位に近心に接触喪失が多かった(p <.001)
・インプラント周囲粘膜炎とインプラント周囲炎の有病率は,インプラントレベルでそれぞれ34.5%と19.0%,患者レベルで54.1%と26.2%. 接触歯科用歯科用インプラントは、適度な接触を有する歯科用インプラントと比較して、インプラント周囲粘膜炎およびインプラント周囲炎の有病率が高く、42.8%対24.6%および23.4%対13.9%と有意に関連していた. PIやGIも接触喪失に有意に関連していた.
・アンケートでは接触喪失と口腔清掃時の疼痛と不快感に有意に関連していた.
CONCLUSION
歯科用インプラント修復物と隣在歯との間の接触喪失は,インプラント周囲疾患のリスク指標である.歯科用インプラント修復物と隣在歯との適切な接触は,歯科用インプラント周囲組織の健康に寄与する.
こういう大変な時期ですが私も歯科医師として今できることを精一杯させて頂こうと
思っております。
では皆さま今日も一日頑張っていきましょう。
歯医者として豊中市の地域医療に歯科治療という形で微力ながら
貢献できますよう頑張ってまいりますので今後ともよろしくお願いいたします!
これからも
「大阪の豊中・岡町でよりレベルの高い歯科治療を提供出来る歯医者となるように」
努力したいと思います。
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まつもと歯科
大阪大学歯学部卒業 歯学博士 松本卓也