こんにちは。
まつもと歯科院長 松本卓也です。
先日抄読しました歯科インプラント文献を紹介いたします。
上顎における4本と6本のインプラント支持フルアーチ固定式補綴物の比較:5年間の多施設ランダム化臨床試験
Title:Fixed Full- Arch Maxillary Prostheses Supported by Four Versus Six Implants: 5- Year Results of a Multicenter Randomized Clinical Trial
Author:Marco Toia, Cristiano , Moreira, Debora R. Dias, Enrico Corrà, Andrea Ravidà, Denis Cecchinato
Journal: Clinical Oral Implants Research, 2025; 36:298–313
PURPOSE
本研究では多施設共同無作為化臨床試験において、上顎歯科インプラント支持固定式総義歯(FCD)において、4本(4-I)歯科インプラント群と6本(6-I)歯科インプラント群を、機能開始5年後のX線画像による辺縁骨レベル(MBL)の変化に関して評価した。
MATERIALS AND METHODSRESULTS
本研究は3つの民間クリニックにおいて、2013年4月から2015年9月の間に歯科インプラント手術が3名の経験豊富な臨床医によって実施された。被験者は4-I群または6-I群に無作為に割り付けられた。患者は6ヶ月ごとにメンテナンスされた。
・外科的処置
手術の1時間前に抗生物質予防投与を行った後、歯槽頂切開を施行し、頬側および口蓋側の全層皮弁を挙上し、ガイドライン(Astra Tech Implant System/ OsseoSpeed TX Dentsply Sirona Implants)に従って歯科インプラント埋入をした。インプラントプラットフォームの最終位置はボーンレベル、すべての歯科インプラントが骨内に埋入された。インプラントカバースクリューを設置し、一次閉鎖を得た。治癒期間は従来の8週間とし、患者は手術後2週間は可撤性義歯を装着しないように指導、2週間毎日クロルヘキシジン0.2%でうがいをするように奨励された。
8週間(±2週間)の治癒期間の後、2次手術を行う。経粘膜外部接続用インプラントアバットメント(45° UniAbutment、Dentsply Sironaインプラント)を装着し、20 Ncmで固定した。インプラントアバットメントの高さは、粘膜の厚さおよび/または利用可能な咬合間スペースに応じて臨床的に選択され、5つの長さに分けられた。
すべての補綴物は、右側第一大臼歯から左側第一大臼歯までで構成されており、遠心カンチレバーの有無と長さは、歯科インプラント間のスパン、垂直方向および水平方向の隙間、インプラントスクリューアクセス開口部の位置、および対合歯列によって決定された。
追跡調査は1年、3年、5年目に実施した。各診察時にFCDを取り外し、歯周ポケットプローブを用いて臨床パラメータ(プラーク指数、プロービング時の出血量、ポケット深度、角化粘膜幅)を記録し、X線写真を撮影し、メンテナンスケアを実施した。MBLの変化、技工的、補綴的、生物学的合併症の発生率、治療費、および満足度(咀嚼・発音・審美)を評価した。
RESULTS
233本の歯科インプラント、47名の患者について、5年間で臨床的およびX線学的評価が行われた。そのうち、24名の患者と96本が4-Iに属し、23名の患者と137本が6-Iに属す。臼歯部インプラントの傾斜率は、4-I群で85.4%(n = 41)、6-I群で44.4%(n = 20)であった。カンチレバーの平均値は、4-I群で11.8 mm、6-I群で8.0 mmであった。
対合歯列については、17例(36.1%)が完全無歯顎(FCD)であり、うち4-I群9例、6-I群8例であった。天然歯列は14例(29.7%)であり、うち4-I群6例、6-I群8例であった。臼歯部に歯科インプラント、前歯部に天然歯を有する患者は13例(27.6%)であり、うち4-I群7例、6-I群6例であった。各群から1名ずつ計2名(4.2%)の患者は、下顎前歯部に天然歯列を有し、下顎後歯部に可撤性義歯を装着していた。最後に、4-I群の1名(2.1%)は、2本の歯科インプラントで支えられたオーバーデンチャーを装着していた。
233本の歯科インプラントでリハビリテーションを受けた47人の患者のうち、6本歯科インプラント群の生存率は99.3%、4本歯科インプラント群では100%であった(6-I群早期脱落が1例)。5年後のMBLは、群間および群内で有意な差は認められなかった。両群とも、角化粘膜幅の減少が見られ、補綴および生物学的合併症を経験したが、歯科インプラント周囲炎は認められなかった。4本歯科インプラント群では、技工的合併症の発生率が有意に高かった(16.6%対0%)。費用分析では、初期費用および総費用において4本歯科インプラント群が優位であった。臨床医および患者の満足度は様々で、審美面では歯科インプラント群が、機能面では6本歯科インプラント群が、特に早期フォローアップ時の発話能力において優位であった。
CONCLUSION
5年機能後のレントゲン写真上のMBLの変化は、4-I群は、6-I群に劣らない。両群とも生存率および生物学的・補綴学的合併症の発生率は同等であった。4-I群では、技工的合併症の発生率が高く、全体的な歯科インプラント治療の治療費は低かった。
この論文だけで上顎のインプラント支持のフルアーチ治療を4本の歯科インプラントで行うのは大いに不安ではあります。
私は行ったことがなく、このインプラント治療を推奨する先生は周りでおりません。
ただ一つの指標としては参考に出来るかと思います。
今後も豊中市の皆様の歯や口腔内の健康維持に寄与出来ればと思います。
今後も歯科医師として今できることを精一杯させて頂こうと
思っております。
では皆さま今日も一日頑張っていきましょう。
歯医者として豊中市の地域医療に歯科治療という形で微力ながら
貢献できますよう頑張ってまいりますので今後ともよろしくお願いいたします!
これからも
「大阪の豊中・岡町でよりレベルの高い歯科治療を提供出来る歯医者となるように」
努力したいと思います。
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