こんにちは。
まつもと歯科院長 松本卓也です。
先日抄読しました歯科インプラント文献を紹介いたします。
上顎前歯単冠の即時、早期、待時埋入インプラントの実現可能性: 100症例のコーンビームCT後ろ向き研究
Title:Feasibility of Immediate, Early and Delayed Implant Placement for Single Tooth Replacement in the Premaxilla: A Retrospective Cone- Beam Computed Tomography Study of 100 Cases
Author:Axelle Ickroth ,Jan Cosyn
Journal: Clinical Oral Implants Research, 2025; 36:64–72
PURPOSE
歯科インプラント埋入のタイミングは、重要な決定の 1 つである。日常診療における各アプローチの適応領域に基づいて、上顎前歯の一歯に対する即時インプラント埋入(IIP)、早期インプラント埋入 (EIP)、待時インプラント埋入 (DIP) の実現可能性を2人の著者が評価する。
MATERIALS AND METHODSRESULTS
2021年から2023年に1 つの民間歯周病診療所で上顎前歯 (13~23) に単冠歯科インプラント治療した 19~81 歳 (平均年齢 51.71) の 100 人の患者 (女性 59 人、男性 41 人、すべて白人) のデータを後ろ向きに収集した。人口統計データ、診断情報、線形測定値は、患者ファイルと CBCT から抽出された。IIP、EIP、DIP の実現可能性は、両著者によって、以下の基準に基づいてすべての症例について評価された: 根尖病巣や唇側裂開の大きさ、根尖骨の有無、歯槽骨の形態に対する歯の位置、軟組織の厚み、唇側骨の形態、リセッションの有無。DIP はリッジプリザべーション (ARP) を行った。
RESULTS
中切歯 (51%) で31 の側切歯 18 の犬歯も含まれる。歯の喪失理由は、歯根破折 (51%) 、深在性う蝕 (13%) 、大きな根尖病変 (12%) で
その他の理由はすべて10% 未満である。
7 名の患者は根切の既往があり、46 名の患者は根尖病変を呈しており、根尖周囲透明度は最大径 11.1 mm (平均 3.99、SD 2.37) である。21 名の患者は唇側骨裂開を示し、最大径は 7.7 mm (平均 3.98、SD 2.07) であった。
根尖骨の量は 0 ~ 18.5 mm (平均 5.54、SD 3.97) で、歯根長は 2.0 ~ 19.7 mm (平均 11.99、SD 3.71) である。
60 名の患者は唇側骨壁が損傷しておらず、40 名の患者では裂開は 0.1 ~ 12.7 mm (平均 3.48、SD 3.37) である。32 名の患者では口蓋骨が損傷しており、裂開は 0.2 ~ 5.0 mm(平均 1.47、SD 1.11)である。
頬側軟組織の厚さは 0.2 ~ 2.7 mm(平均 0.90、SD 0.40)で、25 名の患者は歯肉が厚いバイオタイプ(Younes ら (2016) によると 1 mm 超)である。 14 人の患者で、0.4 ~ 1.8 mm (平均 1.11、SD 0.50) のリセッションが認められた。
92 人の患者は、IIP、EIP、または DIP で治療できた。8 人の患者は、歯科インプラント埋入前にGBRが必要であったため、これらのアプローチのいずれも実行できなかった。52 人の患者 (95% CI: 42%–62%) は IIP で、58 人 (95% CI: 48%–67%) は EIP、88 人 (95% CI: 80%–93%) は DIP で治療できた。IIP と EIP の実現可能性の割合は、DIP の実現可能性の割合よりも大幅に低かった (p < 0.001)。IIP で治療できたすべての患者は、EIP または DIP でも治療できた。歯科インプラント固定用の根尖骨が不足していることが、IIP と EIP が実施できない主な理由であった。頬骨壁が完全に失われていることと、歯科インプラント埋入前にGBRが必要であることが、DIP が実施できない理由ある。
CONCLUSION
この後ろ向きCBCT 分析の結果から、DIP は IIP や EIP とは対照的にほぼ常に可能である。したがって、IIP や EIP よりもはるかに簡単なため、経験の浅い臨床医は臨床診療では主に ARP と DIP に焦点を当て、IIP と EIP はより高度な外科技術が習得されるまで延期する必要がある。
待時インプラント埋入 (DIP)が基本で待って頂けるならそれが一番シンプルに歯科インプラント埋入が出来ることが多いのは事実と思います。
早期インプラント埋入 (EIP)の最小限の骨吸収の時期かつ軟組織が治癒した状態でのインプラント埋入や、歯間乳頭温存が可能でかつ手術回数の少ない即時インプラント埋入(IIP)のメリットもあり、状況によって使い分けが必要かと思います。
今後も豊中市の皆様の歯や口腔内の健康維持に寄与出来ればと思います。
今後も歯科医師として今できることを精一杯させて頂こうと
思っております。
では皆さま今日も一日頑張っていきましょう。
歯医者として豊中市の地域医療に歯科治療という形で微力ながら
貢献できますよう頑張ってまいりますので今後ともよろしくお願いいたします!
これからも
「大阪の豊中・岡町でよりレベルの高い歯科治療を提供出来る歯医者となるように」
努力したいと思います。
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