こんにちは。
まつもと歯科院長 松本卓也です。
先日抄読しました歯科インプラント文献を紹介いたします。
骨高密度化ドリルを用いた力フィードバック型インプラントロボットによるソケットリフト:後ろ向き研究
Title:Force Feedback Implant Robot With Osseodensification Drilling for Transcrestal Sinus Floor Elevation: A Retrospective Case Series Study
Author:YaXin Bai, Yuan Chen, MinXue Yang, YuanDing Huang, Peng Xu, Tao Chen
Journal:Clinical Oral Implants Research, 2025; 36:944–954
PURPOSE
本研究では、力フィードバックに基づく自律型インプラントロボットシステムと骨高密度化(OD)ドリルを併用したソケットリフト(TSFE)の有効性を評価した。また手術中の 力フィードバック曲線を解析し、機械ビジョンと統合することで安全性・精度を高める可能性を検討した。
MATERIALS AND METHODS
2023年12月から2024年4月の間に、重慶医科大学付属口腔病院において、上顎臼歯欠損および骨高不足に対し、ADIRシステム(Yakebot Technology Co. Ltd.、中国北京市)を用いてソケットリフトと同時インプラント埋入術を受けた患者の診療記録を後ろ向きに分析した。17名(18インプラント)を対象。
適応基準 上顎臼歯部が欠損、残存歯槽骨高(RBH)が2mm超10mm未満、開口量が30mm以上
除外基準 上顎洞の急性または慢性炎症、上顎洞嚢胞、手術部位近傍の感染症または膿瘍、インプラント治療の一般的な禁忌、および高血圧、糖尿病などの全身疾、1日10本以上の喫煙者、アルコール依存症者、薬物依存症者、過去5年以内に放射線療法または化学療法を受けている患者、妊娠中または授乳中の女性。
術前:CBCTと口腔内スキャンで計画立案、3Dプリントで位置決めした。
術中:術者が歯肉剥離→ODドリル(3.5 mm, Densah Bur; Versah, USA)で洞底挙上(内視鏡で診査)→骨補填材をロボットで填入→インプラント埋入。
術後:CBCTで精度評価、6か月後に補綴。
力覚センサーで Fz方向の力曲線を記録し、骨密度などの因子との相関を解析。
視覚アナログスケール(VAS)を用いた主観評価により、経験した疼痛、術後腫脹、手術および最終修復に対する満足度を記録した。
RESULTS
対象患者は17名(女性8名、男性9名)、平均年齢は38.12 ± 10.58歳(範囲24~59歳)であった。合計18本のインプラントが歯科用インプラントが埋入された。
インプラント生存率:94.4%(6か月後)
精度:平均偏位はプラットフォーム側0.90 ± 0.58mm、根尖側1.01 ± 0.60 mm、角度偏位2.29± 1.28°と良好。
合併症:シュナイダー膜穿孔はなし。1例で頬側骨壁吸収による歯科用インプラント脱落。
力覚曲線:洞底突破時に急激なピーク→急降下。骨補填材挿入時は緩やかな上昇→急降下。
統計解析:洞底皮質骨密度と力覚フィードバックに有意な正の相関あり。
インプラント後の患者報告:痛み・腫れは少なく、満足度・再施術希望ともに高い。
CONCLUSION
歯科用インプラントロボット+OD技術によるTSFEは安全かつ高精度で有望である。
力フィードバックと機械ビジョンの統合により、従来の「盲目的」手技の限界を克服し、術者の判断を補助する。
ロボットインプラント治療はまだ一般的ではございませんが、量産され価格が下がり、
他の歯科治療に対しる汎用性が高まれば導入されてくるかもしれません。
興味がある分野ですので今後も学んでいきたいと思っております。
今後も豊中市の皆様の歯や口腔内の健康維持に寄与出来ればと思います。
今後も歯科医師として今できることを精一杯させて頂こうと
思っております。
では皆さま今日も一日頑張っていきましょう。
歯医者として豊中市の地域医療に歯科治療という形で微力ながら
貢献できますよう頑張ってまいりますので今後ともよろしくお願いいたします!
これからも
「大阪の豊中・岡町でよりレベルの高い歯科治療を提供出来る歯医者となるように」
努力したいと思います。
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