2024/07/27
こんにちは。
まつもと歯科院長 松本卓也です。
今月も新しい歯科用インプラントに関する論文を抄読いたしましたので掲載いたします。
補綴カントゥアはインプラント周囲炎のリスク指標となる:X線写真による横断的分析
Title:Restoration contour is a risk indicator for peri-implantitis: A cross-sectional
Author:Michitsuna Katafuchi、Bradley F. Weinstein、Brian G. Leroux、Yen-Wei Chen、iane M. Daubert
Journal:J Clin Periodontol. 2018;45:225–232.
PURPOSE
インプラント周囲疾患のリスク指標は、以前の研究で特定されており、口腔衛生不良、歯周炎の既往、喫煙、糖尿病は重要な要因ある。本研究の目的は、修復物のエマージェンスアングルがインプラント周囲炎と関連しているかどうかを明らかにすることである。
MATERIALS AND METHODS
225本のインプラントを埋入した96人の患者(男女共48人 , 34 ~86 歳; 平均年齢67.6 ± 10.6 歳、平均追跡期間:10.9年)からなるデータセットを利用した。インプラント周囲炎は、BOP および/または排膿の存在、初期リモデリング後の検出可能な骨損失 2 mm、および PD ≥ 4 mm と定義した。粘膜炎症状がなく、骨損失のみ 2 mm が存在する場合は、インプラント周囲炎の症例とはみなさない。失敗は撤去、ロスト、動揺、破折とする。インプラントを骨レベル群と組織レベル群に分け、X線写真を分析し、修復物のエマージェンスアングルと修復物のプロファイル(凸または凹)を決定した。一般化推定方程式を用いて、インプラント周囲炎とエマージェンスアングル/プロファイルの関連を評価した。
RESULTS
168本のインプラントが埋入された83人の患者が埋入基準を満たした。骨レベル 群では 59 人の患者に 101 本のインプラントが、組織レベル群では 27 人の患者に 67 本のインプラントが埋入された。インプラント周囲炎のインプラントレベルでの発生率は、骨レベル群で 22.8%、組織レベル群で 7.5% であった。インプラント周囲炎の有病率は、エマージェンス角度が30度以上の骨レベル群では、30度以下と比較して有意に高かった(31.3%対15.1%、p=.04)。組織レベル群では、このような相関は見られなかった。骨レベルのインプラントでは、凸型プロファイルと 30度以上の角度が組み合わされた場合、インプラント周囲炎の有病率は 37.8%で、エマージェンス角度とプロファイルの間に統計学的に 有意な交互作用が認められた(p=.003)。
CONCLUSION
30度以上のエマージェンスアングルは、インプラント周囲炎 の有意なリスク指標であり、凸プロファイルは骨レベルのインプラントではさらなるリスクを引き起こすが、組織レベルのインプラントではリスクを引き起こさない。
個人的にはインプラント補綴物のエマージェンスアングルについては、欠損部の近遠心的なスペース、インプラント径、歯肉の厚さによって規定されるので、エマージェンスアングルを30°以下にするために骨縁下埋入を推奨したり、補綴形態を修正する意味はないのではないかと思っております。
歯の近遠心径に対して細いインプラントしか埋入出来ないケースは、骨幅が十分でないことが考えられますし、歯肉に厚みがあるケースは補綴マージンまでの距離があるのでエマージェンスアングルが小さくなる傾向がでるので、一概に言えないのではないかと考えます。
交絡因子が多そうな論文になりそうですね。
今後も豊中市の皆様の歯や口腔内の健康維持に寄与出来ればと思います。
こういう大変な時期ですが私も歯科医師として今できることを精一杯させて頂こうと
思っております。
では皆さま今日も一日頑張っていきましょう。
歯医者として豊中市の地域医療に歯科治療という形で微力ながら
貢献できますよう頑張ってまいりますので今後ともよろしくお願いいたします!
これからも
「大阪の豊中・岡町でよりレベルの高い歯科治療を提供出来る歯医者となるように」
努力したいと思います。
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2024/06/28
こんにちは。
まつもと歯科院長 松本卓也です。
豊中岡町も暑くなりましたね。
クーラーをつけて、水分をしっかり採って熱中症対策をしてくださいね!
さて先日私が理事を務めます、CLUBGP 定例会 「ダイレクトボンディングのためのデジタル技術を活用したクリアインデックステクニックのメソッド」に参加してまいりました。
今回は徳島大学大学院再生歯科治療学分野 教授である保坂 啓一先生をお招きし、講義をしていただきました。
私も元々著書を拝読するなど、クリアインデックステクニックやデジタル技術を活用したダイレクトボンドについてとても興味がありましたので、すごく面白かったです!
ダイレクトボンドはどうしてもテクニックセンシティブな歯科治療になりますので、難易度の高い歯科治療になります。
保坂 啓一先生はそういう難しい歯科治療をいかに誰にでも出来るようにしていくか、また、そうすることでより沢山の患者さんが恩恵を受けることになるかを考えてシステム開発をされております。
このような器具を使用することで、形態を簡単に作ることが出来、より自然な形態を再現することが可能になります。
私がインプラント歯科治療で用いるサージカルガイドのダイレクトボンディング版のようなイメージで、最先端の歯科器具を用いることでより安心・安全に歯科治療を受けていただくことが可能になってきます。
当院でも導入予定ですのでまたご希望があればご相談下さい。
今後も豊中市の皆様の歯や口腔内の健康維持に寄与出来ればと思います。
こういう大変な時期ですが私も歯科医師として今できることを精一杯させて頂こうと
思っております。
では皆さま今日も一日頑張っていきましょう。
歯医者として豊中市の地域医療に歯科治療という形で微力ながら
貢献できますよう頑張ってまいりますので今後ともよろしくお願いいたします!
これからも
「大阪の豊中・岡町でよりレベルの高い歯科治療を提供出来る歯医者となるように」
努力したいと思います。
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2024/05/31
こんにちは。
まつもと歯科院長 松本卓也です。
今月も新しい歯科用インプラントに関する論文を抄読いたしましたので掲載いたします。
スクリュー固定インプラント補綴物におけるインプラントとアバットメントの接続様式の違いによる臨床結果の比較: 5 年間のランダム化比較試験
Title:Clinical outcomes of implant- versus abutment-level connection in screw-retained fixed dental prostheses: A 5-year randomized controlled trial
Author:Marco Toia, Andrea Parpaiola, Nicole Stevanello, Mustafa Tattan,Muhammad H. A. Saleh, Andrea Ravidà
Journal:Clin Oral Impl Res. 2024;35:230–241.
PURPOSE
本研究の目的は、スクリュー固定インプラント補綴物を支持するインターナルコニカルコネクション(ICC)を備えたインプラントの、インプラントレベル接続(IL)とアバットメントレベル接続(AL)に関連する5 年間の臨床結果を評価することである。
MATERIALS AND METHODSRESULTS
・適応基準:18 歳以上、治療内容を遵守出来る、コントロールされている糖尿病、高血圧がない、口全体のプラークスコア ≤ 25%、インプラント治療が必要な無歯部位が 2 つ以上ある。
・除外基準: 無歯顎、大きなGBRが必要な症例 、 腫瘍切除に関連した骨欠損、喫煙 (1 日あたり 10 本以上、進行性の腎疾患および肝臓疾患、頭頸部領域での放射線療法の既往、化学療法、粘膜疾患(口腔扁平苔癬、表皮剥離)治療方針に従わない患者、 臨床医が外科的治療に不適当と判断した患者
・119 本のインプラントを埋入した 50 人の患者が、AL 群または IL 群のいずれかに無作為に割り当てられた。 X線写真(辺縁骨量)と臨床症状(プロービング時の出血、プロービングポケットの深さ、プラークの蓄積、インプラント周囲炎およびインプラント周囲粘膜炎の発生率、補綴物の合併症)が1、2、3、5 年で収集、線形混合モデルを使用して、グループ間の差異を評価した。
RESULTS
下顎に66本、上顎に53本の計119本のインプラントが埋入。 ALグループは、61 本のインプラント、平均年齢 65±13.9 歳の患者 25 名(男性 13 名、喫煙者 1 名)。1mmのアバットメントが21症例 、2mmのアバットメント33症例、3mm のアバットメント7症例。 ILグループは58本のインプラント、平均年齢は57.3±9.9歳の患者25名(男性8人、喫煙者3人)
インプラントの生存率は両グループとも 100% で、すべての患者がメンテナンスに来院。 各グループに 1 人の脱落者。 AL グループは 24名の被験者と59本のインプラントで構成され、IL グループは24人の被験者と56本のインプラントで構成。
治療から 5 年後、MBL の変化はどの時点でもグループ間で有意差なし。MBLは 0.23±0.64 mm (AL) および0.23±0.29mm (IL) 。プロービング時の出血は 44% (AL) と 45% (IL) (p = .89)。 平均プロービング深さは 2.91 ± 1.01 mm (AL) および 3.51 ± 0.67 mm (IL) であった。 この違いは統計的に有意だが、臨床的には有意差なし。 プラークの存在は、AL グループ (26.3%) と比較して IL グループ (34.4%) でわずかに高かった(p= .06)。
全体的な技工的、生物学的、および補綴物の合併症の発生率は、両グループ間で同様であった。 追跡期間全体を通じて、インプラント周囲炎を発症したインプラントはない。
CONCLUSION
このランダム化比較試験の結果において、健康で部分欠損を有する患者で、辺縁骨の吸収量に差がないことを示唆した。
IL 接続グループと AL 接続グループのインプラント間の骨レベルの変化、他のすべての臨床パラメーターは臨床的に同等であった。 IL 接続では、著しく大きな PD が示された。 ただし、両グループのPD値が健康の正常範囲内である。本研究内で、AL 接続の使用が IL 接続と同等であることを示唆している。
インプラントアバットメントの着脱が辺縁骨の吸収に関与するとの文献もありましたが、そこまで大きな影響はないのかもしれません。
今後も豊中市の皆様の歯や口腔内の健康維持に寄与出来ればと思います。
こういう大変な時期ですが私も歯科医師として今できることを精一杯させて頂こうと
思っております。
では皆さま今日も一日頑張っていきましょう。
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2024/04/05
こんにちは。
まつもと歯科院長 松本卓也です。
豊中岡町も暖かくなって、桜が綺麗になってきましたね。
良い季節で気持ちが良いですね!
さて先日東京の方へDr. Ernesto Leeの低侵襲骨造成ハンズオンコースに参加してまいりました。
Dr. Ernesto Lee はGreater New York Academy of Prosthodontics の副会長で、アメリカでインプラント専門の歯科医師として開業されており、歯科用インプラントにおける骨造成術で世界的権威で、最小限の侵襲で成功率の高い術式を開発された歯科医師です。
骨造成とはインプラント時に骨が足りない際に、骨を足す際に行う歯科治療です。
インプラントは骨に埋入する必要があります。
しかし、歯周病や虫歯で歯を失った場合、往々にして骨も少なくなっていることが多いです。
そのような際に行う術式になりますが、残念なことに腫れや痛みが出やすい歯科処置でもあります。
それを低侵襲で行う術式を開発したのがDr. Ernesto Leeになります。
論文でしか見たことがない先生に実際に講義やハンズオンをしてもらい、大変勉強になりました!
今後も豊中市の皆様の歯や口腔内の健康維持に寄与出来ればと思います。
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2024/03/30
こんにちは。
まつもと歯科院長 松本卓也です。
豊中岡町も花粉がすごいですね。
花粉症持ちには嫌な季節になってきましたね。
さて先日私が理事を努めます歯科医師のスタディーグループであるCLUGPの定例会が開催されました。
今回の定例会は表題の「Maxillofacial analysis」についてでした。
「Maxillofacial analysis」とは顔貌や骨格を含めた診断を行い、口腔内の治療に反映させる治療の診断法になります。
いわゆる全顎的な包括的な歯科治療を行う際には、前歯の位置やかみ合わせの平面及び高さ、位置や歯の形態、いわゆるガイドと言われる歯を横や前にずらしたときにどこの歯が当たるか、もしくはその角度が重要なのですが、それらの位置を決めて行く際に顔貌が参考になります。
前歯の位置の決定に顔貌や口唇は大きく影響しますし、かみ合わせの高さや位置も同様です。
その辺りをマイクロスコープを用いた歯科治療で著名な内山 徹哉先生に講義をして頂きました。
診査、診断は歯科治療において最も重要であると思っておりますので、凄く勉強になりました。
日々勉強していきたいと思います。
今後も豊中市の皆様の歯や口腔内の健康維持に寄与出来ればと思います。
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