歯科論文抄読会 「大阪府豊中市岡町の歯医者 まつもと歯科」
こんにちは。
まつもと歯科院長 松本卓也です。
今月もインプラントに関する歯科論文を抄読いたしましたので
掲載いたします。
日本人における3年以上機能した場合のインプラント周囲炎の有病率と危険因子―後ろ向き多施設共同治験
Title :Prevalence of peri‐implant disease and risk indicators in a Japanese population with at least 3 years in function--A multicentre retrospective study
Author:: Masahiro Wada,Tomoaki Mameno,Yoshinobu Onodera,Hirofumi Matsuda
Koji Daimon,Kazunori Ikebe
Journal:Clin Oral Impl Res. 2019;30:111-120
PURPOSE
・本研究の目的は、3年以上機能したインプラントを有する日本人被験者におけるインプラント周囲疾患の有病率を評価し、リスク指標を分析すること。
MATERIALS AND METHODS
本研究では大阪大学歯学部及び7つの一般開業医で1996年11月から2013年12月で評価された。患者の年齢、性別、全身性疾患の有無、歯数、歯周炎の既往歴または有無、PCR、喫煙習慣、アルコール摂取量、歯ぎしりなどのパラファンクション、およびメンテナンスの頻度を調べた。歯周炎は、深さ6 mmを超える歯周ポケットの存在および2 mmの付着喪失として定義された。
インプラント周囲粘膜炎は骨吸収がなくBOPがあるもの、インプラント周囲炎はBOPか排膿がありかつ1mmより大きい骨欠損があるものとする。
RESULTS
・対象者のデータ
571人中26人が除外された。理由は全身疾患10人、抗生物質の服用3人、最初のX線写真がない13人、メンテナンスに来院せず2人である。最終的に543人が評価された。女性350人、男性193人、平均年齢63.0±11.9歳。病歴は喫煙者9.2%、飲酒習慣27.1%、糖尿病5.3%、高血圧13.8%、高脂血症5.7%、2.4%骨粗鬆症。パラファンクションは52.5%に認められた。平均のPCRは23.1±17.4%。評価時の27.8%、インプラント前の44.6%に歯周病が認められた。
・インプラントのデータ
1613本のインプラントが評価された。上顎43.1%、下顎56.9%。観察期間5.8±2.5年。一回法42.7%、二回法57.3%。BOPは約3分の1に、排膿は3.8%に認められた。最小角化歯肉幅は2.53±1.61mm。
・インプラント周囲粘膜炎
患者レベルで23.9%、インプラントレベルで27.4%で認められた。健康なインプラントは1023本、骨吸収は平均0.1mm。インプラント周囲粘膜炎は442本で平均0.14mmの骨吸収。インプラント周囲炎は148本で平均1.6mmの骨吸収。関連性が高いのは喫煙、PCR、歯周病の既往、上顎へのインプラント、2回法、角化歯肉幅。多変数多項ロジスティック回帰分析ではPCRに関連性が認められた。
・インプラント周囲炎
患者レベルで15.8%、インプラントレベルで9.2%で認められた。関連性が高いのは喫煙、PCR、歯周病の既往、メンテナンス期間、上顎へのインプラント、角化歯肉幅。多変数多項ロジスティック回帰分析では喫煙と角化歯肉幅、PCRと角化歯肉幅にも関連性が認められた。角化歯肉幅が2mm以上ある場合は喫煙はインプラント周囲炎に影響がない。
CONCLUSION
本研究においては口腔衛生不良と角化歯肉幅が少ない場合にインプラント周囲粘膜炎の発症に関連し、口腔衛生不良と喫煙、上顎への埋入および角化歯肉幅が少ないことがインプラント周囲炎のリスク因子になることが分かった。
発表者:松本 卓也 抄録提出日時:令和元年5月11日
では皆さま
今日も一日頑張っていきましょう!!
豊中市の地域医療に歯科治療という形で微力ながら
貢献できますよう頑張ってまいりますので今後ともよろしくお願いいたします!
これからも
「大阪の豊中・岡町でよりレベルの高い歯科治療を提供出来るように」
努力したいと思います。
「まつもと歯科」のホームページはこちら:
予防歯科・インプラント治療なら大阪府豊中市岡町の歯科・歯医者のまつもと歯科
「まつもと歯科」の矯正歯科専門ホームページはこちら:
目立たない矯正歯科治療なら大阪府豊中市岡町の歯科・歯医者のまつもと歯科